そのうえ足に鋭いツメがあるらしく、歩くたびに体に食い込んで痛い。
恐る恐る目を開けると、それは真っ白いフクロウだった。
体をくねくねと動かしてみてもフクロウは動こうとしない。「えらいことになったな」と思い、なぜだか横にいた妹に「ねぇちょっと台所に行って延し棒をもってきて」と頼んだ。
棒を受け取りブンブン振り回してフクロウを追い払おうとするのだが、じっとして動かない。なおも振り回していると横の本棚に逃げ込んだ。
頭隠して尻隠さず。置物のように向こうを向いて棚に収まっている。
「おい、出てこい!」と言うと、しずしずと出てきた。
確かにそれはフクロウなのだが、だんだんと体が人間の大きさになり、羽根の具合が和服を着ているようにも見える。振り向いたその顔は人間の女である。ただ皮膚は、純白の短い羽毛でビッシリと覆われていた。
澄んだ目がまっすぐにこちらを見ている。
そんな夢を見た。