2008年05月28日

老婆の指輪

丘の上にある古い木造校舎。学校としての役目を終えたその場所には、指輪職人の老婆が住んでいた。変わった指輪を作るという噂を聞いて、早速行ってみることにした。

がらんとした教室の一番奥に、その老婆は背中を丸めて座っていた。

「いらっしゃい。その椅子にかけてちょうだい。」

堅い木製の椅子に座ると、私の目をのぞきこみ言った。

「左手を出して。」

手のひらをひっくり返しながらしばらく眺めたあと、老婆は太さ2ミリほどの針金を木箱から取り出し、私の中指の付け根に2回巻いた。そして1センチほど下の手のひらに針金の端を突き刺した。手のひらを貫通した針金はもう片方の針金の端と結ばれ、ペンチで締め上げられた。

「ほれ、できた。」

私の手は血だらけである。

「これが噂の指輪か?」と疑問に思いながら、私はその場所を立ち去った。

それにしても痛い。中指は締め上げられて紫色だ。

どうにもこうにも痛くてしょうがないので、小学生時代からの愛用品のニッパーを工具箱から取り出し、針金をバチン!と切った。

そんな夢を見た。



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